税効果会計 1  税効果会計の必要性  企業会計 会計監査 会計基準 財務諸表監査


公認会計士による会計監査を受けられる企業向けに、会計基準についてわかりやすく説明していきたい。

特に、そのような企業さんの経理担当者はもちろん、役員、監査役の皆さんにもご理解頂き、会計監査を担当している公認会計士との議論等に役立てて頂きたい。

その第一段として、税効果会計を取り上げたい。

税効果会計の1として、その必要性について、簡単に説明したい。

税効果会計の必要性を、簡単に個人的に説明すると、会計と税務と差異を、会計上、反映させるため、といえる。

このように書くと、簡単に書いているつもりでも、難しく聞こえてくると思うが、税効果会計を理解する上で、大切なことは、会計と税務は、時に、不一致が生じるということを、まずは理解することである。

そもそも、法人税等の税務においては、会計上の損益を出発点するため、税務は、会計上の損益を利用することになる。

ここで、会計上の損益とは、より噛み砕くと、収益 △ 費用 として得られる結果といえる。

他方、会計上は、収益、と、費用、というが、税務上は、益金、損金、という概念を用いることになるが、これらは、似ているようで、まったく一致しているわけではない。

つまり、収益と益金、そして、費用と損金、は、一致している部分もあるが、一致していない部分もあるということをまずはご理解頂きたい。

その上で、税務申告上は、不一致の分を調整することで、会計上の損益から、税務上の所得、を計算することになる。

ここで、税務上の所得とは、益金 △ 損金 として得られる概念である。

つまり、より分かりやすくは、税務上の所得も、そのまま、益金 △ 損金 として計算すれば分かりやすいが、収益と益金、また、費用と損金、は、その大部分が一致しており、一部のみ不一致であることから、現行のような形で、会計上の損益から、会計と税務の不一致項目を調整することで、税務上の所得を計算することで、合理化しているのである。

なぜなら、それぞれを、別々に計算するとすると、会計上の損益に関する帳簿とは別に、税務上の所得を計算するための帳簿を別途作成することは、煩雑になるからである。

ここまでの、おさらいとして、会計上の損益、と、税務上の所得は、時に、不一致が生じるということであり、税務上の所得は、会計上の損益をベースに、会計と税務の不一致項目を調整することで計算されているということである。


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しかし、この不一致が原因で、会計上、新たな疑問点、問題点が生じる可能性が生じるのである。

つまり、会計上の利益に、法人税等の税率を乗じても、実際の納税額と不一致が生じてくる可能性が生じることである。

当然と言えば当然の現象である。

なぜなら、何度も説明しているが、法人税等は、税務上の所得に、税率を乗じることで、計算されおり、会計上の損益と、税務上の所得は、会計と税務の不一致項目が調整されている場合には、会計上の損益と、税務上の所得は、当然、不一致となる結果、会計上の損益に、税率を乗じても、実際の納税額と不一致が生じることは、当然の現象と言えるからである。

しかし、まず、この不一致を放置してはいけないということがまず一点。

また、会計と税務の不一致には、永久に不一致のままのものと、将来その不一致が解消されるものとに、大別され、後者の不一致が解消される可能性があるものについては、その効果について、会計上の損益、財政状態に、反映させることが可能であるということがもう一点。

そして、それらの問題点等を解消させるために設けられた会計基準が、税効果会計と言えるのである。

例えば、費用と損金の不一致で、将来、その不一致が解消される可能性があるものの代表例としては、会計上の賞与引当金である。

これは、賞与引当金は、会計上は、期間損益の正しい認識、及び、決算日時点の負債の網羅的な認識、計上、という観点から、会計監査を受ける企業においては、重要な場合、計上することが義務付けられているが、税務上、賞与引当金は、会計上、費用計上したとしても、損金として認められていない。

しかし、通常、賞与引当金は、その計上した翌事業年度中に、実際に、賞与として支給され、そのタイミングで、その前年に、費用計上した賞与引当金の相当額も、税務上、損金として認められることから、その時点で、費用と損金の不一致が解消されたことになる。

そのため、賞与引当金の場合、これらの不一致が発生した年度と、不一致が解消した年度において、会計と税務の不一致を調整する税効果会計を適用することが必要となるのである。

より具体的には、以下の通りで、前提条件は以下の通りとする。

法人税等の実効税率 30%

第1期

会計上の収益 売上のみ 300 (税務上の益金と完全に一致しているもののみで、収益と損金の不一致はないものとする→売上からは、税効果会計の適用はない。)

会計上の費用 賞与引当金繰入額のみ 100 (上記の説明の通り、費用と損金の不一致→税効果会計を適用しなければならない。)

会計上の損益 300 △ 100 = 200

次に、税金計算の簡単なイメージとする。

税務上の所得 → 会計上の損益 200 + 100(賞与引当金繰入額) = 300 (賞与引当金繰入額は、会計上の費用に該当するが、税務上の損金には該当しないため、加算することで、税務上の所得が計算できる。)

法人税等 300 × 30% = 90

ここまでで、簡易的な損益計算書を作成してみると

売上高 300

賞与引当金繰入額 △100

税引き前当期純利益 200

法人税等 △90

税引き後当期純利益 110

となる。

しかし、このままでは疑問点が生じることになる。

なぜなら、税務上の法人税等の実効税率が、30%であるにもかかわらず、税引き前当期純利益で、実際の法人税等を除すと、税率が45%になるが、このままだと、この税金計算、決算書は、正しいのか?という疑問点が生じることになる。

次に、続いて、第2期について見ていきたい。

第2期

会計上の収益 売上のみ 300 (税務上の益金と完全に一致しているもののみで、収益と損金の不一致はないものとする→売上からは、税効果会計の適用はない。)

会計上の費用 賞与引当金繰入額 100 (上記の説明の通り、費用と損金の不一致→税効果会計を適用しなければならない。)

会計上の費用 賞与 100 (第2期中に実際に支給した金額は、200であるが、うち100は、第1期に計上した賞与引当金100を充当しているため、200と100の差額である100のみが、会計上の費用として認識されるが、税務上は、この200支給をもって、200全額が、損金としてみとめられるため、費用と損金の不一致が生じており、税効果会計を適用しなければならない。)

会計上の損益 300 △ 100 △ 100 = 100

次に、税金計算の簡単なイメージとする。

税務上の所得 → 会計上の損益 100 + 100(第2期の賞与引当金繰入額) △ 100(第1期の賞与引当金が税務上損金になった額) = 100

法人税等 100 × 30% = 30

ここまでで、簡易的な損益計算書を作成してみると

売上高 300

賞与引当金繰入額 △100

賞与 △100

税引き前当期純利益 100

法人税等 30

税引き後当期純利益 70

第2期は、法人税等30 を、税引き前当期純利益100 で除すとたまたま30%になったが、本当にそれだけでいいのだろうか?

このような単純な例ではあるが、第1期、第2期を通じて、会計上の問題点等をイメージして頂けたかと思うし、これらを解消するために、何らかの調整が必要であることも、イメージして頂けたかと思う。

そして、それらを解消するために税効果会計が適用されることになるが、その具体的な処理等については、次回に譲りたい。

続く。

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