公認会計士による会計監査を受けるときのポイント 1 内部統制の整備と運用と評価 1  医療法人会計監査 会計監査 会社法監査 公認会計士 監査法人


医療法改正に伴い、一定の規模以上の医療法人については、公認会計士、監査法人による(税理士ではない。)会計監査を受けることが義務付けられた。

また、それに伴い、医療法人に関する会計基準も検討され、来年度より適用されることとなった。

そこで、今後、新たに会計監査を受けられる医療法人向けに、会計監査を受けるときのポイントを、分かりやすく説明したいと思う。

会計監査を受けるには、多くの準備も必要だと思われるので、公認会計士により会計監査がどのようなものなのか、また、新たに適用される会計基準上、留意するべき点、準備、検討しなければならない点は、どのようなことかについて、参考にして頂ければと思う。

さて、そのポイント 1 として、今回は、内部統制の整備、運用、評価について、お話したい。

結論から申し上げると、公認会計士による会計監査を受ける場合には、監査を受ける主体には、必ず、内部統制を整備し、運用することが求められ、会計監査人は、その整備、運用状況を評価することが求められる。

なぜなら、監査基準に基づく会計監査は、原則として、試査による監査であり、試査の前提として、内部統制が有効に整備、運用されていることが条件とされているからである。

そもそも、会計監査というのは、監査を受ける主体が作成する財務諸表について、重要な誤りがなく、会計基準に照らして、その経営状態、財政状態が、適切に財務諸表に表現されていることについて、会計監査人が、合理的な水準で保証を与える業務とされている。

ここで、ポイントとしては、合理的な水準での保証、であり、完全な保証ではない、ということである。

なぜなら、完全な保証を与えるためには、会計監査人が、財務諸表を構成する取引の全てについて確認しなければならなくなるからであるが、現実的に、監査資源(会計士の数や業務提供時間の上限等)の観点、また、監査に費やせる資源(監査を受ける主体が負担する監査報酬等)の観点等からして、完全な保証を与えることは、現実的ではないことから、合理的な水準での保証とされているのである。

そして、合理的な水準での保証とした場合に、監査を受ける主体において、財務諸表の作成に関係するプロセスについて、重要な誤りが生じないような仕組みを整備し、運用して、それを会計監査人が評価し、評価結果を利用することで、監査するべき範囲を限定しても、合理的な保証を付与できるように、内部統制の適切な整備、運用、そして、会計監査人による評価を、監査基準は求めていることになる。


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ここで、内部統制とは、何か?、曖昧な概念であることから、それを理解することはなかなか難しいが、簡単言えば、法人業務における、各種、誤り、不正が生じないように、また、合理的な業務の遂行等のために、法人内で整備、運用される仕組み、であると私は考える。

例えば、法人内の各種規定の整備と実際の運用は、正に、内部統制の一部である。

なぜなら、その規定の整備には、何らかの目的の実現があり、その規定内容が適切に運用されて初めてその目的が達成できるからである。

より具体的には、例えば、既に存在していると思われるが、各種、出納に関する規程や、経理に関する規程と、その運用は、まさに内部統制の整備と運用であると考えられる。

例えば、出納と経理に関する規程としては、資金の取扱者と管理者が決められており、取扱者は、資金を動かしたときには、記録し、管理者に承認を求め、管理者が、規定内の動きであれば承認し、法人の資金移動として認め、法人会計に記録することを認めることが一般的であると思うが、これはまさに、内部統制の整備と運用である。

つまり、資金を扱える者が規程上、限定され、その出納について、管理者による承認を求めることは、不正な資金使用を防止するという目的に対して、合理的であり、これは、正に内部統制の適切な整備に該当し、独自の報告書等に基づき、承認を得て、その結果を記録として残すという取扱者と管理者の行為時代が、内部統制の適切な運用に該当するからである。

このように考えると、内部統制の整備、運用が皆無と考えられる医療法人は、ほぼ存在しないと考えられるし、内部統制と聞くとどれだけ難しいことを求められるのかと想像されるかたもいらっしゃるかもしれないが、意外と、身近で現実的な概念であることをご理解頂いたい。

一方、会計監査の中では、必ず、その内部統制の評価を、会計監査人から受けることになり、重要な内部統制については、会計監査人から、整備、運用が有効であるという評価を受けることが原則として必要となることから、有効ではない内部統制については、今から改めることが必要となる。

ただし、この点についても、過度の不安を抱く必要性はない。

特に、会計監査のために、膨大な規定作成、資料作成が、全ての業務に対して追加して求められるわけではないという点は、ご理解頂きたい。

もちろん、会計監査人が重要と判断した内部統制が有効に機能していないと判断した場合には、改善の必要性がある。

しかし、安心していただきたいことは、我々、会計監査人である公認会計士が、会計監査上、評価する内部統制は、重要な財務諸表項目に作成に関係する業務プロセスにおける内部統制と、財務諸表作成に関係する全般的な内部統制に限られるということである。

つまり、全ての業務における、全ての目的に対して、完全な整備、運用を、会計監査人が求めるわけではなく、会計監査において評価対象となる内部統制は、あくまでも、適切な財務諸表の作成に関係するもので、会計監査人が必要と判断した部分のみ、適切に整備、運用されていることを評価することになる。

したがって、これから会計監査のために、内部統制を改善しようとお考えの医療法人においては、早期に、適切な会計監査人の候補者を選定し、相談し、その医療法人における評価対象となる内部統制はどこなのか、範囲を明確化した上で、優先的に、改善されることが、合理的と私は思う。

もちろん、今回の改正は、医療法人のガバナンス強化も一つの目的とされてるため、会計監査に関係する内部統制以外の内部統制も改善されることが望ましく、それを否定するわけではないが、限られた、経営資源の中で、優先順位をつけて内部統制を改善されたいとお考えの医療法人におかれては、そのような改善のための合理的なステップを歩まれることをお勧めしたい。

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