最近、相続や相続税に関する記事が多いな、とお思いの方も多いと思うが、不思議であるが、日々書いているうちに、私自身、心境に変化が生じてきた。
それは、対策可能なことをせずに、無駄な税金を納めてほしくないなということである。
そして、そのためには、相続税について、まずは正しい理解を、分かりやすく伝えることが必要だと思うことである。
では、どうして私がそのように思ったのか?
まずは、改正後相続税法の適用によって、改正前相続税法の適用によっては、相続税の申告納税が不要だった家庭における、相続税の申告納税に関与したこと。
もちろん、改正相続税法が適用されることで、明らかに、申告納税が必要な家庭は増えるだろうなということは、私も予想はしていたし、話題にもなっていたので、一般家庭においても、それなりに対策はされているだろうな、と感じてた。
しかし、いざ、現実に、そのような申告の依頼を受けてみて感じることは、なぜ、自分は、事前に相談をうけ、対策すれば申告納税が不要になる、あるいは、税金が数十万円減らしてあげられるのに、それをするための活動もせず、そんな申告のお手伝いをしてるのか、という罪悪感に似た気持ちだった。
また、別のケースでは、相続税の申告に関するセカンドオピニオンでのケース。
このケースでは、結果的に、高額なアパート建設という相続税対策によって、確かに、相続税の申告納税は免れることになっていたので、申告は不要と回答した。
しかし、相続税対策実行前の財産状況と、家族構成を考えると、何もしなければ、確かに、100万円~200万円くらいの相続税の申告納税が必要だったかもしれないけれど、それを免れるために、億以上の借入金というリスクを、遺族に残す対策をみて、愕然としたことだった。
もちろん、被相続人、そして、そのご家族に、アパート経営にご興味があったのかもしれなけれど、それはなく単純に、それくらいの税金を免れるために、億単位の借入金を残す以外に選択肢があったことを、ご存じだったのだろうか?、冷静に相談できる相手はいなかったのだろうか?と思うと同時に、このようなケースは、私は、あまり増やしたくないな、と強く思った。
もちろん、何が正しいのか、何が適切ななのか、個人によって考え方は様々だろうし、それを否定するつもりもない。
しかし、私には私の価値観、正義感があるのであって、より安全な方法で財産を守るお手伝いをしたいと思っている。
また、相続税に限ったことではないが、よくわからないで、誰かにいいよと提案されたから実行するのではく、正しい理解、正しいリスクに認識に基づき、ご本人が納得して対策をしたいと思えるように、相続税を理解してもらえる機会を提供していきたい、そんな風に思っている最近である。
何事も、正しい理解が大切であることを信じ、愚直に情報発信、啓蒙活動を続けていきたいと思う。
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