消費税の免税による益税もあと5年間の間しか適用できなくなる 消費税 益税 免税 インボイス方式


本日、賛助会員として参加している法人会より、28年の税制改正の速報版が届いた。

それによると、税制改正大綱の通り、平成33年4月より、いわゆるインボイス方式の採用が決定されたことが記載されていた。

もちろん、この制度によって、事業者は、消費税を課すのであれば、登録番号を取得しないといけなくなるし、その番号を、請求書や領収書に記載しなければならなくなる。

さらには、軽減税率の適用もあれば、軽減税率適用の取引がどれなのか明示した上で、税率毎に、取引金額を分けて集計しなければならないそうで、軽減税率を適用するためにも、レジ、請求ソフト等、投資が必要になりそうだ。(この点、請求書ソフトや会計ソフトのメーカーは、来年の3月までに特需がありそうで、業績がよくなるかもしれませんね。)

既に、消費税を納めている法人、個人におかれては、上記の対応だけでいいのかもしれない。

しかし、まだ消費税を課されていない法人、事業においては、影響はそれだけではない。

タイトルの通り、消費税の免税による益税が、この世からなくなるのである。

つまり、消費税を課すには、基準期間の課税売上が、1,000万円以下であっても(原則(特定期間の判定もある))、登録番号を取得して、消費税を課し、消費税を課す以上は、消費税の計算をして、納めてください、ということになるのだ。

これまでは、事業者は、課税取引について、消費税を課す、しかし、一定の要件を満たす場合には、納税を免除する、そして、その免除がなかったら納めなくてはいけない消費税相当額が、いわゆる、消費税の免税による益税、と考えられてきたが、インボイス制度は、この益税を無くしてしまうのだ。

消費税を課すなら、納めてください、免税事業者として消費税を納めたくないなら、消費税を課さないでください、こういうことだ。


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ただ、この制度運用開始も、現行法上は、平成33年4月以降の取引から。

そのため、あと5年弱は、最高で2年間の消費税の免税による益税は享受できる。

法人化によりいつかは消費税を2年間、納税免除を受けたいと思われているかたは、是非、平成33年3月までに2年間終わるタイムスケジュールで、法人化されることをお勧めしたい。

なお、簡易課税方式による場合の益税については、簡易課税制度が、インボイス制度適用後、どうなるのか確定していないため、確定的なことは言えない。

しかし、現行の簡易課税方式、もしくは、そのような制度が残るのであれば、インボイス制度適用後も、しっかりと判定すれば、簡易課税方式による益税はえられるから、従来の免税事業者の売上であったとしても、登録番号を取得して敢えて消費税を申告納税した方がいいケースもあるだろうが、それは、その時に簡易課税があるのかどうか、その他制度との兼ね合いを見ながら、慎重に判断しなければならない。

ただ、税理士業界にとっては、ややこしい消費税の申告が増え、仕事の機会が増える可能性が高いのでチャンスと言えばチャンスだけど、そこまでしなくてもいいじゃないか、と思う気持ちもあるし、軽減税率一つにしても、趣旨は分かるが、実務対応は、レジやソフト、システムの対応を含め、大変なんだから、なんだかな~といった気持ちなのは私だけだろうか。

あとは、軽減税率、インボイス方式によって、今、流行りのクラウドソフトは、多少、苦戦しそうな感じもするし、安易に利用することは危険になりそうだな。

一方、いわゆる、保険適用外診療をされている歯科医業界にとっては、別途、消費税を請求していないクリニックにおいては、追い風だろう。

ただし、クリニックのような非課税事業における経費に関する消費税の負担問題は、消費税相当分、点数をあげないと解消されることはないのだろう。

引き続き、消費税には注意が必要だ。

個人的には、ソフトベンダーの株価にも注意が必要だ(笑)

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