今回は、 広告投資の判断基準というお話。
先日、某クライアントさんから、このような話を持ちかけられた。
Aさん 「金平先生、先月、某雑誌に広告を載せたけど、効果があったのかわからないし、もうやめようかと。」
金平先生 「へー、そうなんですね。ところで、その広告を見てきた方ってどれくらいいるのでしょうか?」
Aさん 「すべてを把握しているわけではないけれど、少なくても今月から今日までで5名かな。」
金平先生 「へー、そうなんですね。そうすると、Aさんのお店は、客単価が、6,000円で、直接原価が、1,000円くらいで、1人、増加で、粗利益が、5,000円増加で、その5倍だから、その広告だけで、既に、25,000円利益が上がったってことですね。」
Aさん 「そっか、それじゃ、しない方がよさそうだね、ありがとう、金平先生…」
ここまで聞いて、このAさんの判断は正しいでしょうか?
それが、今回の最初の質問です。
ちなみに、現時点の情報だけで、Aさんの判断は正しいと考えた方は、広告投資の判断基準をあやまる可能性があるので、ご留意を。
ちなみに、この会話には、続きがある。
続けてみよう。
金平先生 「へー、本当にやめちゃっていいんですか?その理由は?」
Aさん 「だって、広告一回に要するコストは、50,000円で、利益が25,000円で、25,000円の赤字だから止めた方が賢明でしょ。」
金平先生 「へー、確かにそうですね。でも…」
Aさん 「でも、何?…」
金平先生 「じゃあいいますけど、ちょっと判断基準がおかしいというか、判断・期間、がおかしいというか、短くないですか?」
Aさん 「金平先生、どういうこと?」
金平先生 「だって、Aさんのビジネスって、基本的には、リピートがあるじゃないですか。」
Aさん 「そうだけど、それが?」
金平先生 「だから、初回利用のみならず、2回目以降のその広告投資でゲットしたお客さんの、LTVを加味していないことが問題ですよね。キリッ」
Aさん 「金平先生、LTVって何?」
金平先生 「あ、すみません、ライフタイムバリューの略語です。キリッ」
Aさん 「だから、ライフタイムバリューって何よ?」
金平先生 「あ、すみません、つまり、顧客の生涯価値、という意味です。」
Aさん 「…」
金平先生 「つまり、顧客の生涯価値、というのは、新規顧客が平均で、生涯で、どれだけ、自社に粗利益を残してくれるのか、という概念です。」
Aさん 「というと…」
金平先生 「例えば、Aさんの新規客さんは、平均で、少なくても3回はリピートしてくれるとすると、Aさんの現在の顧客一人あたりの生涯価値は、5,000円×3回=15,000円、ですよね?」
Aさん 「確かに…」
金平先生 「そうなると、今回の広告で獲得された生涯価値の合計は、15,000円×5人=75,000円で、広告投資50,000円に対して、プラス25,000円の利益ですが、それでも、もう止めますか?」
Aさん 「確かに…」
金平先生 「そして、LTVを重視すると、LTVこそ重要な概念であり、それを伸ばすことこそ、重要な課題であり、仮に、平均リピート数が、その倍とかになっていけば、利益が増えていくことは、容易に想像できまえせんか?」
Aさん 「確かに…」
金平先生 「どうでしょうか?」
Aさん 「ありがとう、もう一度、考え直してみる。」
以上。
そうです、広告投資の判断基準で重要なのは、LTV、つまり、顧客の生涯価値である。
そして、それを測定するためには、その広告から得られた新規客をカウントし、データを測定することが重要なのである。
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