個人事業の方で、ご自身で、経理、決算、申告をされ、そして、節税をご検討の方もそれなりにいらっしゃるだろう。
そこで、今回は、所得税の節税を考える上で、是非、ご理解頂きたいことを伝えたい。
それは、課税所得と適用所得税税率についてである。
まず、課税所得とな何かご存知だろうか?
簡単に言ってしまえば、所得税には、10種類の所得があるが、そのうち合計して税金を計算する(総合所得という)所得を合計した金額(そのままだけど、合計所得金額という)から、経費ではないが所得から控除することができるものの合計した金額(そのままだけど、所得控除合計額)を控除した金額を、課税所得という。
つまり、課税所得とは、
合計所得金額 △ 所得控除合計額
となる。
そして、この課税所得に対して、所得税率表に従い適用される所得税率を判定し、所得税を計算することになる。
ここままで、是非、正確にご理解頂きたいことは、単に、事業所得の金額だけを見て所得税の節税を考えてはいけないということである。
なぜなら、例えば、事業所得が全く同じ人であったとしても、所得控除の金額が異なれば、その両者の所得税額は全く異なる可能性があるからだ。
そして、仮に、同じ対策を講じたとしても、両社の節税効果や、その節税効果に対する投資効率は、それぞれ異なることになるからである。
つまり、所得税の節税を考えるためには、事業所得の金額だけ、合計所得金額だけを見ていてはダメで、所得控除の金額を加味した、課税所得の金額の水準を重視しなければならないということをお伝えしたい。
次に、適用される所得税率についても、留意が必要だ。
2015年以降の所得税率は以下の通りだ。(現時点)
ちなみに、左上端のタイトルに、課税される所得金額、とあるが、これがこれまで解説してきた課税所得を意味する。
このように、課税所得が増加するにしたがって、所得税率は上昇していく。
(ちなみに、個人住民税も、所得税と課税所得は、ほぼ一緒なので、所得税率に、住民税率を足した数値が、税率と考えて頂いた方がよく、住民税率は現状、課税所得の水準にかかわらず、一律10%である。)
ただ、ここで正しく理解して頂きたいことは、上昇した所得税率が適用されるのは、上記の表における課税所得の金額の範囲内のみであることである。
例えば、課税所得195万円超から330万円以下の場合、税率は10%となっており、課税所得195万円以下の場合の税率5%よりも、5ポイント、税率が上がっている。
しかし、仮に、課税所得が330万円の場合に、10%の税率が適用されるのは、195万円超330万円までの、135万円の範囲のみ10%が適用され、330万円のうち、195万円は、5%が適用されるということである。
この点、勘違いされている方が多いのは、上記の例でいうと、課税所得が330万円の場合、その全体に対して、所得税10%が乗じられるということであるが、それは誤った認識で、正しくは、上記の表における課税所得の各レンジを超過した部分に該当する部分のみ、上昇した所得税率が課せられるということをご理解頂きたい。
また、そのような仕組みであることから、我が国の所得税率は、超過累進税率、といわれているのである。
この超過累進税率を正しく理解していないと、やはり、節税効果の検討を誤りますよね。
例えば、上記のように、課税所得が330万円の場合、節税対策を講じて課税所得を減らしたとしても、所得税が10%として適用され節税効果を有する部分は、課税所得195万円超の135万円のみで、195万円以下の部分については、5%の所得税率分しか節税されないのに、極端な話、330万円すべて減らすことができた場合に、33万円節税だなと思っていると、判断をあやまることになる。
この点、社会保険料控除、小規模事業共済等、所得控除と節税の関係を検討したり、また、法人化した場合の節税効果を考える上では、必ず、課税所得と適用所得税率との関係は正しく理解している必要があることは、ご理解頂けただろうか。
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