会計事務所業を営んでいるとよく質問されること、経営者のお悩みの代表例は、決算書が読めないこと。
個人的には、会計のプロなのでそのような方々のお気持ちを心の底から理解できるかといわれると、正直に、できないわけだが、当然のことながら、経営者はできれば我々会計のプロ並に決算書を読めればいいと思う。
しかし、現実的には、難しいと思う。
決算書を本質的に理解するには、帳簿に遡る必要があるが、帳簿読むには、帳簿を作成することが必要であり、帳簿を作成するには、簿記を理解している必要があるが、そこまでの理解ができている経営者は多くない。
そんな、中小企業、個人事業の皆さんに私がおすすめしているのは、決算書はざっくり読めればいい。
もう少し言えば、皆さんの事業において重要な部分だけ、集中的に読めればいい、継続的にチェックすればいいということである。
例えば、店舗ビジネスにおいて必ず生じる経費の代表例は、地代家賃。
確かに、地代家賃というのは、金額的に大きく重要な経費の一つであることは間違えない。
しかし、契約を締結して移転せずにそこで事業を続けていく以上、契約上の条件に変更が生じない限り、その物件の地代家賃は毎月変化することもない。
つまり、地代家賃は、契約変更をしない限り、経営者にとっては管理不能な経費項目であって、そんなところを毎月、うーんと首をかしげながらみて、やっぱり決算書はわからん、むずかしい、と思っている時間の方が無駄なのだ。
各業種によって重要な項目というのは異なると思うが、全ての業種において共通して重要な項目は、
・売上
・売上原価(製造原価)
・人件費
・経常損益
・キャッシュフロー(簡易でいい)
・その他そのビジネスに重要な項目
・現金預金残高
・売掛債権(滞留の有無のチェック)
・買掛債務
・借入金残高
だと思う。
中でも最も重要な事項は、
・経常損益
・現金預金残高
・売掛債権(滞留の有無のチェック)
・買掛債務
・借入金残高
だと思う。
あまり理解されていない方がよく言われることは、売上の多寡だけで経営を語られること。
確かに売上も重要だけれども、どれだけ売上が大きくなっても、利益が残らない仕事が増え続けていては、企業財務は強くならないし、借入金も返済できない。
借入金を返済するのは、売上ではなくて、税金支払い後の利益であって、その本質は、経常損益なのだ。
だから、経常損益は重要な指標なのだ。
また、利益が出ていても、売ったもののお金を全額回収できて、その利益を手にしたといえるのであるし、事業は資金が回っているから生き残れるものであり、資金繰りは重要である。
そのため、売上債権の管理は重要であり、滞留している債権の回収につとめ、また、滞留気味の顧客には追加で売らないためにも、売上債権の着目は重要である。
また、現金預金の残高と、売上債権の回収状況を見ながら、買掛債務、借入金の返済の計画も立てていかないといけないから、これらのチェックも重要なのだ。
この点、○○比率等が満載の決算書、分析書は、会計、財務に長けている人にとっては情報として価値があるが、それ以外の方にとってはそれほど価値のあるものではないと思う。
理解できない数値の羅列に価値があるはずはない。
そんなものは、無価値に等しく、むしろ、上記の重要項目の管理、比較、分析を行うことが、決算書を読む上では重要であることを強く伝えたい。
ちなみに、私自身も、経営状態を素早く確認するためには、クライアントの決算書の重要なところを重点的に確認しているのであって、プロであってもそのような確認をしていることもお伝えしておきたい。
重要ではない項目をどれだけ細かく確認したところで、得ることは少ない。
なぜなら、重要ではない項目だから。
それよりも、重要な項目から優先的に読めるようになること、理解できるようになることが重要なのだ。
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