財務的視点なき経営改善は経営改善にあらず  経営改善 コンサル 税理士 会計士 富山


この仕事をしていると本当によくそのように思う。

財務的視点なき経営改善は経営改善にあらず。

手段を選ばずに利益を追及しようとは思わないけれど、利益に結びつかない経営改善は真の経営改善ではないなと。


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私かこれまでにも、経営に行き詰ってから経営の相談を受けたことも何度もあるが、行き詰ってからできることというのは、本当に限られていて、相談を受けても大変そうで、そんな状態になったのも、財務的視点なき経営を続けてきたことが大きな要因だと思う。

高尚な理念を実現することも大切だけれども、それは本当に余裕がある企業が考えることであって、中小企業で借入が残っている企業だと、一日も早く借入をゼロにすることが目標であり、そのためには利益が大事である。

経営が芳しくない方の相談を受けて思うのは、利益が出せるかどうかよくわからないような状態の計画で投資を実行してしまうことが多いと感じること。

また、現時点で経営が安定していても、もっと利益を伸ばしたいと考えているという相談であっても、話しを詰めてきけば、効率よく利益を伸ばすことよりも、結局は、売上の最大化、つまりは、規模の追求になっているケースが多く、慎重な計画、実行がないと、やはり、思ったように利益が伸びず、固定費ばかりが膨らんで、経営リスクのみを負担した形になっているケースも多い。

世の中には、経営コンサルタントと呼ばれるような方もいて、中には、優秀な方もいると思う。

しかし、中には、そうではない方もいて、特に、財務、会計に強くない方もいて、そのような方のコンサルティングというのは、財務的裏付けのない、また、財務的な追及のない、机上の空論のような計画や相談結果も少なくない。

規模が拡大しても、同時に、固定費が増加し、利益水準に変化がないのであれば、非効率な経営を加速しているだけで、そうであればやらない方がましだ。

固定費の増加は、一定以上の売上を確保できている時は、赤字にはらないが、その一定以上の売上を割り込んだ際には、赤字幅増加に対する影響力は大きい。

そんなリスクの高い経営改善、経営拡大を目指すよりも、慎重に利益の出せる事業を慎重に選択することの方が、中小企業にとっては重要だと私は思う。

そしてそのためには、新たなことに取り組んだりすることよりも、既存の事業を見つめ直し、効率的に利益の出せる事業へと徐々に変化させていくことが第一歩だと思う。

ダイエットをせずに何度も走ることで長距離走のタイムを縮める方法を選ぶのか、ある程度ダイエットをした上で実際に走ってタイムを縮める方法を選ぶのか。

タイムを縮めるという目的があるのであれば、いずれが賢明なのかは明確だろう。

経営も同じだと思う。

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