個人公認会計士の会計監査の特徴  会計士による会計監査


公認会計士、監査法人による会計監査を受けていらっしゃる皆様へ、本日は、監査法人による会計監査ではなく、私のような個人公認会計士による会計監査の特徴について、説明したいと思います。

結論からいえば、両者は、表裏一体の関係にあり、監査法人による会計監査のメリットが、個人公認会計士による会計監査のデメリットであり、また、その逆の関係でもあるということだと思います。

まず、独立性の部分では、監査法人の方が、個人公認会計士よりも優位性があると考えられます。

現行法上、監査法人には、最低でも、5名の公認会計士が属しており、監査法人によっては、監査報告書に署名してその会計監査に対して責任を負う公認会計士について、一定間隔で、担当を変更するといういわゆるローテションルールが法定され、実施されており、また、大手監査法人においては、法定のローテーションより厳しい規制がされている監査法人もあるようです。

ローテーションルールというのは、つまり、担当する公認会計士を、一定期間ごとに変更し、クライアントと担当会計士の馴れ合い等を防止し、また、新たな担当者による新たな視点を導入すること等によって、より有効な監査の実現を目的とする制度と考えられます。

特に、監査の前提として、クライアントと担当会計士との間の独立性というのは、昨今、非常に注目されており、このローテーションルールの厳格な運用によって、会計監査制度の社会的信頼を担保することを業界全体が目指しているところでもあると考えます。

しかし、個人公認会計士の場合、公認会計士が1人で監査するケースもあり、1人である以上、ローテーションすることが不可能であるため、ローテーションができません。

そのため、クライアントにおかれては、その利害関係者に、担当する会計監査人との独立性の高さを形式的に主張するという観点からは、明らかに、監査法人の方が、個人公認会計士よりも、優れている可能性が高いと考えることができると思います。

しかし、現行法上、公認会計士法によりこのローテーションルールが適用されるクライアントは、公認会計士法上の大会社等に限定されており、その大会社等以外のクライアントにおいては、そのローテーションルールは適用対象外とされております。

つまり、理想としては、全ての会計監査を受ける会社等に対してこのローテーションルールが適用されるべきであり、一部の監査法人では、その大会社等以外の会社等に対しても、厳しいローテーションルールを任意に適用している監査法人もあるようですが、法律上、例外として適用されたい会社等があるのは、現実問題として、全ての会社等に適用することが現実的ではなく、社会的影響力が比較的高い会社等のみにこのローテーションルールの適用を、法律上は、強制、適用していると考えられます。

一方、独立性の観点から優れるこのローテションルールではありますが、ローテーションルールは、担当する公認会計士が交代するため、交代の度に、新任の公認会計士に対して、クライアントが、そのクライアントの概況、業務、内部管理、会計、決算上の固有の特徴等について、一から理解してもらうために説明をしなければならないことが生じます。

つまり、確かに、ローテーションルールによって、強制的に、関与する公認会計士の継続年数に制限を設けて後退させれば独立性を高めることができる反面、独立性を担保していることを前提に、継続年数が長くなれば、関与する公認会計士が、監査する会社等の理解が深まり、効率的、効果的な監査が実施できる可能性もあるという側面もあります。

その観点からすれば、当然、法律上、ローテーションルールが適用されない監査対象会社等において、ローテーションせずに、継続的に、関与して効果的、効率的な監査をしてもらいたいというニーズにおいては、そのような監査ができる監査法人、個人会計士の方が優位性が高い可能性があると考えられます。

弊所は、個人公認会計士事務所であり、原則的に、私、金平が、1人で関与します。

また、ローテーションルールが適用される大会社等の監査は、お受けしませんし、ローテーションルールが適用されない会社等の監査のみ関与公認会計士として監査致します。

独立性を高めるためにローテーションを望まれるのか、継続関与を望まれるのかは、皆様次第かと思います。

なお、継続関与が可能だとしても、高い独立性を懐疑心の発揮は、必須であり、私も、有効な監査を実施いたします。

公認会計士

金平 剛

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