年上の法人経営者からは、たまに、こんな話を聞かせてもらえる。
昔から法人は社会保険の加入(厚生年金という意味で、以下、同様)が法律上は義務化だったが、法人であっても、社会保険の加入は、昔は実質的に任意のようなものだったが、最近は、加入義務が当たり前で厳しくなったよ、と。
その通り、昔も今も、法人は社会保険の加入が義務化されているので、法人であれば、要件に該当する従業員に対して社会保険料を加入しなければならない。
しかし、一方で、事業をしていたとしても、個人事業の場合で、常時常勤勤務者5人未満の場合は、社会保険の加入は未だに任意であるし、個人事業の場合は、経営者本人は、厚生年金という社会保険に加入できない。
業種によっては、常時常勤者の数にかかわらず、個人事業であれば、社会保険への加入は任意のものもある。
もちろん、従業員が大勢いて、社会保険に加入していることが前提で働いている会社においては、簡単に、社会保険から抜けたいと思っても、そうはいかないだろう。
しかし、フリーランスや、家族経営の場合で、家族の意見が一致しており、個人事業にすることで社会保険への加入が任意になる要件を充たしているのであれば、現在、法人であるならば、法人をたたんで、個人事業化することも、私は、合理的な判断だと思う。
問題は、法人の場合と、個人の場合とで、比較した場合、どのくらい手取りが増減して、また、厚生年金から国民年金へと移行することで、どのくらい年金受給額が減少するのか、客観的に検証できないし、そんなことをしている人もほとんどいないから、正しい判断ができないものと推測される。
今回、個人事業から法人化した場合の検証のために作成した検証シートも、裏を返せば、今、法人で、法人から個人事業化した場合の検証のためにも使えることも、思いついてしまった。
最初の年上経営者の言葉を裏返せば、従業員5人未満の法人には、社会保険を加入するかどうかの選択権はなくなったということであり、それがお上の方針かと思うが、しかしながら、フリーランス、家族経営であれば、その選択権は、個人事業か法人かを選択することで、まだまだ、選択の余地はある。
いい時代に税理士や会計士に勧められて法人化した。
その時代の提案としてはよかったのかもしれない。
ただ、当時の前提条件が変化し、時代の変化と共に、社会保険に加入したことで、資金繰りが厳しい、苦しくなった、というのであれば、法人から個人事業化という検討もありかと思う。
また、跡継ぎがいないフリーランス、家族経営の法人であれば、法人を残したままの相続は、相続人に法人の清算を押し付けることにもなるが、個人事業であれば、相続時の債権債務を処理してもらえれば、終わることだ。
相続人にそのような手間を残さずに相続を迎えるためにも、個人事業化を検討する価値がある時代となったのではないだろうか。
これは、そのような法人経営者のみならず、そのような親を持つ相続人自身の問題でもある。
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