今回は、戦略の失敗例を考えてみるというお話(会計事務所業をモデルに)。
最近は、経営のお話をする機会が多いが、結構、抽象的な話しが多い。
そこで、会計事務所というビジネスをモデルに、私が誤った戦略を実行した場合の失敗例を考えみたいと思う。
そして、ご自身に置き換えて検討していただきたいと思う。
ちなみに、この例は、フィクションであって、私が実際に失敗したというお話ではないので、ご留意を(笑)
まず、会計事務所の契約内容やお客さんといっても色々な形もあって。
例えば、事務の代行から会計処理、給与計算、決算、申告まで全て請け負う形もあれば、会計データの確認をすることがメインの形もあれば、経営の助言までも行う形もあれば、優雅に、何かあった時だけ相談を行う昔ながらのザ・顧問という形もあれば。
その他、色々、スタイルはあるけれど、正直いって一番おいしい形というのはどういうパターンかというと、一番最後の形で、何かあったときだけ相談を行うだけで、こちらからは積極的に助言する必要がないパターンだろう。(昨今、そのようなスタイルの顧問で依頼を頂けるクライアントは少ないと思うが、存在はするようだけど。)
また、いいか悪いかは別として、我々の業界では、クライアントの規模が大きい方が、我々の報酬も高くなる傾向がある。
そういう観点からは、出来るだけ、大きくて名の通った会社さんをクライアントできればいいだろう。
しかし、私は、独立したときは、クライアントゼロ、年齢は29歳。
税理士のみならず、会計士の資格をもっている。
だからといって、最初から、中堅、大企業に、それなりの報酬でいかがですか?と提案し、営業したところで、依頼を頂けるかというと、答えはノーだろう。
一方で、自分のサービスの価値は高いと思っていて、値段は下げたくない。
だから、より売れそうな規模の小さな見込み客に対して、一流の会計事務所のサービスをフルセットで提案しても、払えるクライアントはどれくらいいるかというと、ほとんどいないだろう。
しかし、そんな感じで戦略を実行していれば、たまたま依頼がもらえるかもしれない。
しかし、効率的かどうかというと、微妙だろう。
それに、そんな可能性が曖昧な戦略を実行して外していれば、経営も不安定だろう。
やりたいこと、主観的な評価を持つことはいいことだと思う。
しかし、それには、実績やタイミングというものも、客観的に評価、判断することも必要である。
上記の例では、その評価、判断を誤っていることは、だれでもよくわかる。
しかし、自分自身の行動、考え方というのは、どうしても客観的に評価、判断できなくなる傾向があって、それが効果的ではない経営への一因になると私は思う。
まずは、より安定した経営ができるように戦略を実行することが私は必要だと思う。
しかし、世の中には、最初から上手くいっているように見える会社もあるだろう。
しかし、そのような場合であっても、実態はあまりよくなかったり、実態はすごくいいけれど、強力な支援者の存在があったり、実態は様々だ。
私も、目標はあるけれど、現在の自分の能力をできるだけ客観的に評価することにつとめ、徐々に目標へと到達できるように言動をコントロールしているつもりだ。
計画、実行、修正の繰り返し、習慣化は本当に大切なことである。
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税理士・公認会計士
金平 剛
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