決算書で見るべきところというお話


今回は、 決算書で見るべきところというお話。


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我々、会計士は、会計のプロだから、当たり前のように日々、決算書をみているため、正直、決算書の読み方をわからないとおっしゃる方の気持ちを正確に理解できるかといわれると、No、だと思う。

しかし、決算書を読めることは、経営者にとっては重要だから、是非、見て、読めるようになっていただきたい。

ただ、中には、何度見ても良くわからない、という方がいる。

一方で、稀に、新規の問い合わせのクライアントさん等から、その方の決算書を見た瞬間、私が、色々と質問をしてしまうため、どうして、そんなに早く読めるのですか?という質問を受けることがある。

もちろん、慣れているといえばそれまだけれど、その点について、深く考えてみると、本日のタイトルのように思ったのだ。

つまり、私の場合、決算書の見るべきポイントを理解していて、まずは、そのポイントを重点的に、優先的に見ていくし、それ以外のところは、無視していくから、迷わずに、的を射た質問ができるのかもしれない。

もちろん、決算書を読むに際しても、その読む目的によって、読み方は、全然異なる。

例えば、節税を考える目的、と、経営改善を考える目的は、優先的に見るところは、全然、異なってくる。

ただ、節税に関しては、方法も限られるし、ケースバイケースの要素が多いし、そのような判断、提案は、直接、専門家に問い合わせた方が安全、合理的だと思うので、ここでは、そのような目的は、割愛する。

そして、経営の改善という目的で、決算書を読み、分析する場合の、見るべきポイントの考え方について、お話したい。

まず、重要かつ管理可能な項目から優先的に見ていくということ。

例えば、どのような事業においても、まずは、最も重要な項目は、売上、売上原価、粗利益、そして、売上原価率、粗利益率、である。

なぜなら、当然、これらは、重要であり、また、経営活動を変化させれば、管理可能な項目だからである。

そして、このような推移、前期比較の中で、その年度年度の経営について、分析をして、原因を特定し、改善へと結びつけることが重要である。

つまり、逆に言えば、重要ではないもの、と、管理が難しいもの、については、正直、短期的に見て分析してもあまり意味がない。

例えば、通信料というのは、異常な原因がない限り、大きく変動するものでもなく、金額的にも重要ではないため、重要ではないから、一旦契約してしまい、必要であれば、会計上の数字を重視してもあまり価値はない。

また、例えば、物件の家賃などは、金額的には重要であるが、一旦、入居してしまえば、当分の間、移動することも困難であるし、毎月の家賃も一定であるため、やはり、そのような項目を月次で追っかけてもあまり価値はない。

そのため、決算書で見るべきとことは、重要かつ管理可能な項目となって、一旦、選択してしまえば、それほど多くないし、決算書を読むことも苦にならなくなると思う。

そして、さらに、それらの項目に関して、更に、分析を深め、経営改善に役立てるとすればどうするのか?

ポイントは、まずは、更に、管理可能なもの、管理不能なもの、を分けて、管理可能な部分の数値に着目することだ。

例えば、材料費があったとしよう。

ただ、この材料費の要素は、単価 × 数量 となるが、数量は、管理可能であるが、単価は、外部の仕入先が存在する以上、容易に管理はできない。

したがって、数量をコントロールすることに集中するということになる。

また、数値を可能な限り、細分化するということである。

例えば、いくつかの事業を営んでいるのであれば、事業ごとに、売上と仕入を分けて、管理したり、多店舗経営の場合には、当然、店舗別の売上、仕入のデータを出す等、分けることも重要である。

このように、重要かつ管理可能な項目に関して、可能な限り、細分化したデータを確認し、改善を続けることで、経営改善は図られるものと思う。

ただ、最後にこう言っては恐縮だけれども、戦い方を変えることも重要だけど、戦う場所を変えることの方が、いかに重要かということを、改めてお伝えしたい。

つまり、いい魚のいない湖で、釣りをしてもいい魚が釣れないように、ビジネスも、戦う場所、戦略ことが重要である。

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