前回に、引き続き、消費税の課税区分の判断について取り扱いたい。
今回のテーマは、非課税取引である。
前回は、消費税の課税取引の4要件と、最後に、消費税の取引の種類についてご紹介した。
今回は、まず、消費税の取引の種類について、思い出して頂きたい。
覚えているだろうか?
①不課税取引
②非課税取引
③免税取引
④課税取引
ちなみに、今回は、非課税取引であるが、消費税は、①から順番に、それに該当するかどうかを判断していき、該当すれば、判断ステップは終了、終了しなければ、次の取引に該当するかどうか判定を進め、最終的に、課税取引に行きつけば、課税取引として扱うことになる。
なお、前回申し上げた通り、消費税の課税取引の原則的な4要件をクリアしない取引は、①不課税取引になり、判定ステップは、ここで終了。
逆に、その4要件に該当した場合には、次に、②非課税取引に該当するのかどうかの判定になる。
さて、本題の非課税取引となるが、実は、この非課税取引の判定は、実は、不課税取引の判定の4要件に、一つでも充足しないものはないのか?というような、頭を使うロジカルなものではなく、非常に、地味な判定ステップ。
つまり、非課税取引とは、消費税法上、その取引が、法定されているため、それに該当するかどうかの判断のみになる。
もっと言えば、非課税取引として、法定されているものを網羅的に覚えておかないと、その判定はできないことになる。
なので、答えは、シンプル。
覚えてください!
非課税取引は、こちらです。
以下、国税庁HPより。
参照
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/6201.htm
- (1) 土地の譲渡及び貸付け
土地には、借地権などの土地の上に存する権利を含みます。
ただし、1か月未満の土地の貸付け及び駐車場などの施設の利用に伴って土地が使用される場合は、非課税取引には当たりません。 - (2) 有価証券等の譲渡
国債や株券などの有価証券、登録国債、合名会社などの社員の持分、抵当証券、金銭債権などの譲渡
ただし、株式・出資・預託の形態によるゴルフ会員権などの譲渡は非課税取引には当たりません。 - (3) 支払手段の譲渡
銀行券、政府紙幣、小額紙幣、硬貨、小切手、約束手形などの譲渡
ただし、これらを収集品として譲渡する場合は非課税取引には当たりません。 - (4) 預貯金の利子及び保険料を対価とする役務の提供等
預貯金や貸付金の利子、信用保証料、合同運用信託や公社債投資信託の信託報酬、保険料、保険料に類する共済掛金など - (5) 日本郵便株式会社などが行う郵便切手類の譲渡、印紙の売渡し場所における印紙の譲渡及び地方公共団体などが行う証紙の譲渡
- (6) 商品券、プリペイドカードなどの物品切手等の譲渡
- (7) 国等が行う一定の事務に係る役務の提供
国、地方公共団体、公共法人、公益法人等が法令に基づいて行う一定の事務に係る役務の提供で、法令に基づいて徴収される手数料
なお、この一定の事務とは、例えば、登記、登録、特許、免許、許可、検査、検定、試験、証明、公文書の交付などです。 - (8) 外国為替業務に係る役務の提供
- (9) 社会保険医療の給付等
健康保険法、国民健康保険法などによる医療、労災保険、自賠責保険の対象となる医療など
ただし、美容整形や差額ベッドの料金及び市販されている医薬品を購入した場合は非課税取引に当たりません。 - (10) 介護保険サービスの提供
介護保険法に基づく保険給付の対象となる居宅サービス、施設サービスなど
ただし、サービス利用者の選択による特別な居室の提供や送迎などの対価は非課税取引には当たりません。 - (11) 社会福祉事業等によるサービスの提供
社会福祉法に規定する第一種社会福祉事業、第二種社会福祉事業、更生保護事業法に規定する更生保護事業などの社会福祉事業等によるサービスの提供 - (12) 助産
医師、助産師などによる助産に関するサービスの提供 - (13) 火葬料や埋葬料を対価とする役務の提供
- (14) 一定の身体障害者用物品の譲渡や貸付け
義肢、盲人用安全つえ、義眼、点字器、人工喉頭、車いす、改造自動車などの身体障害者用物品の譲渡、貸付け、製作の請負及びこれら身体障害者用物品の修理のうち一定のもの - (15) 学校教育
学校教育法に規定する学校、専修学校、修業年限が1年以上などの一定の要件を満たす各種学校等の授業料、入学検定料、入学金、施設設備費、在学証明手数料など - (16) 教科用図書の譲渡
- (17) 住宅の貸付け
契約において人の居住の用に供することが明らかなものに限られます。
ただし、1か月未満の貸付けなどは非課税取引には当たりません。
そもそも、課税取引の原則的4要件によれば、本来、これらの非課税取引も、理論的には、消費税が課されることになるものばかりである。
しかしながら、政策的に、消費税を課すと、国民生活に支障がでる等の取引については、非課税とすることで、国民に配慮されているというのが、非課税取引の趣旨とされている。
今回は、是非、非課税取引の大きな種類を理解し、覚えて頂きたい。
その上で、実務的に、より身近な項目に関しては、消費税の基本的な部分の解説を完了してから、別途、解説していきたいと思う。
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