フリーランス・家族経営の法人化は慎重に検討する価値が十分にあることが見えてきた  家族経営 法人化 厚生年金加入 手取り増加 第3号被保険者活用 社会保険 税理士 会計士 富山


頭が疲れた…

先日に記事にして以降、クライアントサービスを優先し、限られた時間で、家族経営における法人化の合理性に関する判定に用いる検討分析表を、エクセルで作成していたが、このテーマを突き詰めると検討分析って本当に奥が深いし、難しい。

なぜなら、例えば、法人化して、経営者の役員報酬で社会保険に加入すれば、会社負担と経営者個人負担の社会保険料が発生し、それらはそれぞれ法人税等の計算と、役員個人の所得税等の計算にも影響する。

また、所得税等の計算上は、個人負担の社会保険料が所得控除となり、所得控除が増減すれば所得税の適用税率も上下する可能性もある。

さらには、事業に配偶者が関与していれば、その配偶者の給与をいくらにすることで、配偶者の本人の社保が変動し、また、配偶者本人の所得税等も変動すれば、さらには、経営者の所得税等、法人税等も変動することになる。

つまり、検討するべき点が多数あり、それらの組み合わせによって、解は無数になるし、各種税額は、社保負担額によっても変動することから、適切に判定するには、優先順位の判断、検討事項のもれの有無の判断等、本当に複雑なのだ。

そして、その循環の中で、訂正に訂正を重ね、おかしなところのロジックを検証し続けるので、頭が疲れたのだ…

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ただ、とりあえず、個人事業から法人へ、という法人化に関する検討分析については、ほぼほぼ完成しつつある。

つまり、作成したシートを用いて、諸条件を入力すれば、個人事業と法人にした場合の手取りはどのように増減するのか、ということを客観的に数値で算定できるようになった。

例えば、これまで頻繁に質問されていたことは、個人事業の利益がどのくらいになれば、法人化することで特になるのか?ということ。

ただ、この質問については、各種条件次第だし、その判定において重要なことは、税金の計算よりも、実は、社会保険料の計算なのだ。

つまり、法人化に伴う社会保険料の負担増加と、税金減少分も加味した総合的な分析、検証ができて始めて、法人化の損得は判定できるのであって、社会保険料の負担増分析を加味しない法人化検討は、判断を大いに誤らせる恐れがあると私は思う。

このシートができたことで、少し検証してみた結果、大まかな傾向が見えてきた。

例えば、個人事業で、家族経営で、専従者か、専業主婦の配偶者がいる経営者の場合、比較的、少ない利益であっても法人化したほうが手取りが増加し、なおかつ、経営者は厚生年金に加入でき、将来の社会保険給付を増大できることが見えてきた。

一方、個人事業で、フリーランスで、専従者か、専業主婦の配偶者がいない経営者の場合、単純に法人化して、法人に利益を残さないように役員報酬を設定し支払っても、総合的な手取りがプラスになるケースは少ないことも見えてきた。

この結果を受けて、まずお伝えしたいのは、安易に、法人化をしたり、また、安易に、法人化は負担増を決めつけることはよくないことを伝えたい。

特に、上記の通り、家族家栄で、専従者か、専業主婦の配偶者がいる個人事業の場合は、安易に法人化は単純な負担増で、手取り減少を位置づけてはいけないということだ。

手取りがトントンであれば、法人化して経営者だけでも、厚生年金に加入したほうが絶対にいいに決まっているし、それが分かるだけでも、将来価値を考えれば、そんな分析、検討、検証には、相当の現在価値があると私は思うが、いかがだろうか?

当初は、コンテンツとしての販売のみを検討していたが、それのみならず、個人事業と法人化の手取り増減の判定に関する検証も、コンサルとしてやっていいかもしれいないし、法人化が得だとすれば、そのまま税理士業の依頼も頂ければ、最高じゃないか。

今後は、このシートの検証を進めると同時に、法人化後の手取り最適化のための役員報酬設定に関する検討分析検証シートの作成にも移りたい。

ああ、楽しみだ。

最後にもう一度申し上げるが、法人化の損得検証で大切なのは、税金よりも、社会保険料の負担分析だ。

なお、私の分析では、例えば、法人化後に要件を充たす経営者本人が社会保険に加入しないというような違法なものではなく、加入しなければならない人は、適法に加入したことを前提にした判定である。

個人事業の利益が数百万円で法人化して、経営者が社会保険にまともに加入しても、手取りが増えることはあることは検証済みだし、その根拠を、客観的に証明したい。

そして、1人でも多くの読者、依頼者、クライアントの財産形成とライフプランニングに貢献したい。

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